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Good Design Award 2004
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審査委員/審査講評

商品デザイン部門
A03-1ユニット:携帯電話、モバイル関連商品、カメラ、デジタルカメラ

審査ユニット長 安次富隆

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昨年は、携帯電話とデジタルカメラにおける機能やカタチの差が減り、今までにない商品が生まれる可能性を感じた。今年の携帯電話では、さらに機能もカタチも多様化し、ケータイは電話の域を超えモバイル情報機器全体を包含するカテゴリとなった。それらは大きく多機能型と機能特化型に分類できる。多機能型では、カメラ付ケータイに加え、テレビが見られる、財布代わりになるなど、パブリックとのコミュニケーションを包含する傾向にある。機能特化型では、超小型のソニー「premini」や、ディスプレイもない京セラ「TK50」など、機能を絞り込み、商品の目的や個性を明確化している。また、ビデオカメラやデジタルカメラのようなスタイリングなど、従来のケータイのイメージを払拭しようとする試みもあり、百花繚乱である。一方デジタルカメラ類のデザインは、一眼レフタイプの廉価化や操作性の改善など、質的向上に興じており、まるで成熟商品のようだ。ケータイがデジカメやビデオカメラを凌駕する勢いのなか、カメラ類も従来のカメラの概念を変えるような新しい価値の追求が必要なのではないだろうか。例えば、高画質のカメラ付ケータイは、撮影した画像をサーバーに転送すれば、大容量のメモリーを必要としないというデジカメにないメリットがある。このように、情報の送信と受信、記録方法の組み入れ方を吟味することが、今後の魅力的なモバイル情報機器のデザインに繋がるのではないか。

カテゴリ別講評

携帯電話、モバイル関連商品 [受賞対象を見る]

今年は、テレビが見られる、財布代わりになる、テレビ電話ができる機種も加わり、ケータイはモバイル情報機器全体を包含するカテゴリとなった。同時に新しいカタチへの挑戦もあったが、従来のデジカメやビデオカメラのイメージに頼っている印象がある。その一方で、超小型のソニー「premini」や、カードリモコンの様なKDDIの「talby」、ディスプレイもない京セラ「TK50」は、目指すカタチを第一に考え機能を絞り込んだために、逆に新しさを感じるデザインに仕上がっている。三菱「V401D」のコントロールパッドやNEC「N900i」のニューロポインタ、三洋「TS41」の骨伝導スピーカー、富士通「F880iES」の音声読み上げ機能など、可能性を感じるデバイスも次々登場している。しかし、魅力ある商品を創出するためには、多様な機能や面白いデバイスをどのように使うのかではなく、求めるカタチを明確にイメージし機能選択することが大切だろう。

カメラ、デジタルカメラ [受賞対象を見る]

デジタルカメラでは、一眼レフタイプの廉価化、複雑な操作の簡便化、質感の向上が見られた。パナソニック「D-snap」シリーズや、ペンタックス「Optio MX」、三洋「Xacti DMX-C4」のように新しいデジカメのカタチもあるが、オーソドックスなカメラの形状にこだわる傾向が強い。ケータイのカメラ機能が充実するなか、カメラを別に所有する意味を見せるためには、クオリティー・アップ以外の価値を考える必要があるのではないか。リムーバブルHDDとメモリーカードを記録メディアとした日本ビクター「GZ-MC100」や「GZ-MC200」は、HDDレコーダーが一般化した社会背景を捉えたビデオカメラと言える。デジカメでもこのような周辺環境との連携を考慮することも重要だろう。また、質的向上を求めるなら、ソニー「HDR-FX1」のように、最高の機能や造形が説明なしで実感できるレベルまで洗練されれば、新たな価値へ変化させられるに違いない。

 

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