■ジャンル別講評
オーディオ・ビジュアル関連商品[受賞対象を見る]
このカテゴリーは、技術的には高いレベルの製品が多く、それだけに審査基準のひとつでもある「未来を拓くデザインであるか」が技術的にということだけではなく、デザインから感じ取れるかが重要なポイントであった。テレビはその中でも各社デザインの競い合いによりそれぞれの方向性がある程度見えるのに対して、プロジェクターやDVDプレイヤーなどはその印象が薄かった。オーディオ関連商品で気になる点は、明らかに他社のデザインの影響を受けて消化しきれないまま製品になっていると思われるものがあったことである。送り手側にそのような意識がないことはわかるが、デザインの倫理の問題として客観的に十分検討したうえで誤解を生まないよう製品化する必要だ。このカテゴリーの製品は生活環境空間においてその存在感をどう考えるかが、今後より重要なポイントになると思われる。新しい機能とともに使用空間への新しい考え方の提案を今後さらに期待している。
家庭用情報通信関連商品[受賞対象を見る]
このカテゴリーで、インターネットテレビ電話機や多機能のファクシミリなどに共通して感じられたことは、インターフェイスデザインがわかりにくいということである。特にグラフィック要素がわかりやすく整理されているとは言い難いものが多い。両方の手で受話器が取りにくい、あるいはファンクションとして問題があるものもあり、ひとつの中に多くの機能を持たせる場合は、それだけ難しいことを十分理解する必要がある。整理しきれないまま商品化されていると思われるものがいくつかあった。それからオーディオビジュアル関連商品のカテゴリーでも述べたが、このカテゴリーでも電話機で、明らかに他社の過去Gマークを受賞したデザインを模倣していると思えてしまうものがあったことは残念であった。いつのまにか無意識のうちに影響力のあるデザインに引き込まれるということはあると思うので、常に客観的に検討する必要がある。プロダクトマネージメントの重要な仕事でもある。
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