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審査講評

ユニット6:情報機器のデザイン1 携帯電話・通信機器・パーソナルコンピューター
柴田 文江 インダストリアルデザイナー

携帯電話、通信モバイル端末、電話・FAX、パソコン、パソコン周辺商品、カーナビゲーションシステム機器などの情報機器のデザインが本審査ユニットの対象です。
携帯電話は各社ともスマートフォンがラインナップの主軸であり、中でもKDDI『INFOBAR A01』は極めて完成度の高い筐体のデザインとオリジナリティーあふれるインターフェースが秀逸で、ようやくこのカテゴリーにも日本発で存在感のある商品を見ることができたと心強く感じました。
カーナビでは、パイオニア『サイバーナビAVIC-VH09CS』のARナビゲーションが非常に画期的なシステムで審査委員の注目を集めていました。実際に走行している映像にナビゲーションが重り、従来のカーナビの動的な遅れによるストレスが無く、前を向きながら走れる全く新しい表現方法で、カーナビの未来とこれからの車との関わりを予感させてくれるものでした。
パソコンでは、ソニー『VAIO』やレノボ『ThinkPad』が正当進化の流れの中で精緻なデザインを展開しているのに対して、海外メーカーの、マーケットに順応したアグレッシブなデザインとのコントラストが印象的でした。
どのアイテムも筐体のデザインに加えてインターフェースが製品の骨格を決める大きな役割を担っていますので、審査の多くの時間をそこに割きました。
オリジナリティーのある挑戦から表層の表現に留まる提案まで、各メーカーの考え方は筐体デザインそのものよりも、むしろインターフェースに顕著に表れていたと感じました。