2009年度受賞結果の概要

2009年度審査総評/審査講評

2009年度審査講評

審査委員イメージ

2009年度グッドデザイン・フロンティアデザイン賞 総評

内藤 廣

2009年度グッドデザイン賞審査委員長/
グッドデザイン・フロンティアデザイン賞審査委員


今年度、グッドデザイン・フロンティアデザイン賞という枠組みが作られました。これまでグッドデザイン賞では、実験的な試み、中長期的な未来を見つめた先進的な取り組みについては、主に新領域の部門で扱ってきたのですが、それをどのように評価するのか、毎年のように議論されてきました。市場の選別を受けていないものを通常のグッドデザイン賞の応募作と同じテーブルで審査できるのかという意見がある一方、そうした意欲的なフロンティアこそ奨励すべきだ、という意見もあります。
この難問を解決するべく設けたのがフロンティアの領域です。長い時間販売されてきた息の長いデザインをロングライフの領域として扱い、通常のグッドデザイン賞を真ん中に置いて、その反対側に近未来を切り開くフロンティアの領域を設けました。これで過去に対する評価と未来に対する評価が安定したと思います。これらの領域は、通常のグッドデザイン賞とは切り離して評価・顕彰する、ということにしました。どちらの領域も、今年度は正副委員長が直接審査に当たりました。
今年度は、新たに創設されたこの賞への期待度が高かったようです。きわめて意欲的な応募作が多数寄せられました。賞の価値を高めるため、受賞対象数をかなり絞り込みました。いずれも近未来を予感させるものばかりです。この領域の健全な発展が、新しいデザインの地平を切り開くと信じています。