2009年度グッドデザイン金賞
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09D04009
公共トイレ

受賞番号:09D04009

受賞対象名:

公共トイレ[レストルーム アイテム01]

受賞企業名:

TOTO株式会社

プロデューサ名:

レストルーム事業部 事業部長 田端弘道

ディレクター名:

安田アトリエ/東京工業大学大学院 安田幸一

デザイナー名:

TOTO 谷潤一、尾原光哉、渡具知直美、谷田雅敏、松尾三矢、平澤正史、有留総一郎、長谷寛、島田崇康、日野映子、河上佳世、迎義孝(元社員)+ズームデザイン 佐藤勇

 

概要

10年後にも通用するレストルームの「未来の定番」をめざして、「公共空間のレストルームはどうあるべきか」「誰にでも使いやすい空間とは何か」という、商品の本質を見つめ直して一から開発したパブリックレストルームの商品群。開発にあたっては、社内だけでなく、建築設計者・施工者などの専門家による評価を繰り返しながら、5年という長い歳月をかけて議論を重ね、多角的な検証を通じてデザインを磨き上げた。「調和」「統一」「UD」「エコ」をコンセプトに、どんな空間にもフィットするシンプルなデザインと、どんな利用者にも使いやすい機能性を、高い次元で両立することをめざした。

 

デザイナーのコメント

従来の開発プロセスとは異なり、メーカー単独でなく建築の専門家集団と共にパブリックレストルームの本質を徹底的に議論し、社内の常識や既成概念を見直しながら開発を進めた。そのプロセスが最も重要であると考えた。販売や開発等の他部署と連携し、多角的なデザイン評価を行うことで、グッドデザインの定義を見つめ直すきっかけにもなり、「未来の定番」として使い続けられるものづくりという大きな目標に取り組むことができた。

 

審査委員のコメント

公共トイレは、異なる時期に作られた器具が寄せ集められ、統一感がなく、煩雑な印象のものが多い。特に多目的トイレは、限られた面積の中で各器具の素材や高さが不揃いで、心理的にも心地よさがなかった。本件はこれらの事象をすべてゼロから見直し、機能性、意匠性とも、非常に高いレベルで実現している点が評価できる。各器具の角Rを揃えたり、手に触れる部分の素材を統一するなど、細部のディテールに配慮すると共に、空間での見え方も配慮している。こうした美しい公共トイレは、使用者がおのずとマナーを守ることにつながり、永続的に清潔感を保つことができる。また、これだけ多くの器具を同じ思想でデザインするには、多くの開発者やデザイナーを啓蒙し、思想を共有することが必要であるが、社外建築家と協力し、その思いを丁寧に浸透させて行った努力がすばらしい。

 
※ より詳しい情報は[グッドデザイン ファインダー]でご覧いただけます。
 
 
 
 
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