2008年度受賞結果の概要

2008年度事業経緯

1. グッドデザイン賞制度の見直しについて

グッドデザイン賞では2008年度のスタートにむけ、2007年末から内藤廣審査委員長を中心に「制度検討会」を結成し、制度全体の見直しをおこないました。この検討により、「近未来のディマンドサイドに立った審査」を方針とし、それに基づいた体制を強化していくこととなりました。具体的には以下の点を変更・再編しました。

(1)審査理念について

「ディマンドサイド」という審査方針から、5つの「審査理念」(審査の方向性)を掲げ、必要であれば審査分野ごとに評価ポイントを定めるなど、柔軟性の高い内容に改めました。

グッドデザイン賞の審査理念

人間(HUMANITY)もの・ことづくりへの創発力
本質(HONESTY)現代社会への洞察力
創造(INNOVATION)未来を切り開く構想力
魅力(ESTHETICS)豊かな生活文化への想像力
倫理(ETHICS)社会・環境への思考力

(2) 応募対象の分類について

“人を中心とした分類” へと変更。「身体・生活領域」「産業・社会領域」「移動・ネットワーク領域」に「新領域」を加えた4つの「領域」編成とし、従来、審査部門ごとに細分化させていた応募ルールなども一元化しました。

(3) 特別賞の制定について

今後の社会の最大の課題である「持続可能な社会の実現」をテーマにした「サステナブルデザイン賞」、日本発のオリジナルデザインによる生活風景の新しい創出をテーマとした「ライフスケープデザイン賞」を制定しました。この2つの賞は[経済産業大臣賞]となります。

また、従来より実施してきた「ロングライフデザイン賞」について、地球資源や環境の保護が大きな課題となっている今、ものづくりと私たちの生活を見直す契機を提供するため、ユーザーからの推薦を得た製品を審査対象にするなど、改めて強化しました。この賞は従来通り[経済産業省製造産業局長賞]となります。

2. 審査スケジュール

 
 
 
5月8日 〜 6月11日
: 応募受付期間
 
6月12日 〜 7月15日
: 一次審査期間
 
6月25日
: 審査委員全体会議
 
7月7日
: 一次審査会
 
7月16日 〜 9月10日
: 二次審査期間
 
8月21日 〜 8月22日
: 二次審査会(東京ビッグサイト東5,6ホール)
 
8月22日 〜 8月24日
 
9月10日
: 特別賞審査会
 
9月12日
: 二次審査結果通知
 
10月8日
 
 
10月8日 〜 12月7日
 
11月6日
: 表彰式大賞選出(東京ミッドタウンホール)
 
2009年1月
: グッドデザインイヤーブック発刊
 

3. 本年度審査について

2008年度グッドデザイン賞は、5〜6月の応募期間に応募を受け付け、一次審査会をおこないました。一次審査後に審査委員推薦対象、タイ・デザインエクセレンス賞からの応募対象などを追加し、最終的な審査総数は3,023点となりました。二次審査により1,067件のグッドデザイン賞受賞対象が選出されました。
 
審査photo

4. グッドデザインエキスポ2008について

二次審査会の会場を一般公開するイベント「グッドデザイン・プレゼンテーション」は本年より名称を改め、「グッドデザインエキスポ」として開催いたしました。イベント3日間での入場者数合計41,092名となり、昨年を3,200人ほど上回る数となりました。

グッドデザインエキスポ2008 来場者数詳細

 
 
8月22日(金・18〜21/3h)
: 6,555名 曇
 
8月23日(土・10〜21/9h)
: 18,492名 曇のち雨
 
8月24日(日・10〜16/6h)
: 16,045名 雨
 
合計
: 41,092名
 
 
GDエキスポphoto

5. 大賞選出について

11月6日にグッドデザイン賞表彰式と併せて、大賞選出をおこないました。大賞候補7点の展示とプレゼンテーションがおこなわれた後、受賞者と審査委員、審議委員の投票により、トヨタ自動車株式会社の乗用車「iQ」が、グッドデザイン大賞[内閣総理大臣賞]に選出されました。なお、選出の経緯は以下の通りです。

【第一回投票】

 トヨタ自動車 iQ 281票
 無印良品 窓の家 77票
 三菱オフセット枚葉印刷機 138票
 イトーキ LANシート 169票
 リコー GR DIGITAL II 129票
 PLAYSTATION3/Folding@homeプロジェクト協力 154票
 本田技研工業 FCXクラリティ 182票
※1位と2位の得票差が100未満のため、決選投票へ

【第二回投票】[決選投票]

 トヨタ自動車 iQ 561票
 本田技研工業 FCXクラリティ 530票