Good Design Award 2004
グッドデザイン大賞候補

ドレミノテレビ/にほんごであそぼ/こども向けテレビ番組
受賞番号 04C01030,04C01031
応募企業名 日本放送協会
プロデューサ名 ドレミノテレビ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (学校教育番組) チーフプロデューサー 松本勇一
にほんごであそぼ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (青少年・こども番組) チーフプロデューサー 坂上浩子
ディレクター名 ドレミノテレビ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (学校教育番組) ディレクター 山岸清之進
にほんごであそぼ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (青少年・こども番組) 専任ディレクター 古川均+NHKエデュケーショナル こども幼児部ディレクター 久保なおみ+佐藤卓デザイン事務所 佐藤卓
デザイナー名 ドレミノテレビ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (学校教育番組) ディレクター 山岸清之進+Q-con+北村道子
にほんごであそぼ:日本放送協会 番組制作局 教育番組センター (青少年・こども番組) チーフプロデューサー 坂上浩子、日本放送協会 番組制作局 (映像デザイン)デザイナー 森内大輔+佐藤卓デザイン事務所 佐藤卓+ひびのこづえ
概要
ドレミノテレビは、小学低学年向けの音楽教育の番組。コンセプトは、音楽によるコミュニケーションの楽しさ、自己表現・自己解放の素晴らしさといった音楽の本質を感じること。番組には歌手UAが出演し、日本古来の童謡や唱歌を圧倒的な歌唱力と斬新なアレンジによって現代に蘇らせます。また、プロのパーカッショニストによる、動詞をキーワードにした番組オリジナルのワークショップも特色の一つ。正しい音程や歌唱法など、音楽の結果を提示する従来的な教育番組とは異なり、出演する素人の子どもがその場で生まれる音による生々しい音楽体験を通して、音楽的感覚を身体的・体感的に学んでいくプロセスを見せる画期的な番組です。
「にほんごであそぼ」は、就学前の子どもと親に向けた番組である。現代の親子の会話から失われつつある伝統的な日本語に遊びながら慣れ親しみ、豊かな言語感覚を身につけてもらうのがねらいである。さらに、この番組を見てもらうことで、子供たちがコミュニケーションする能力や自己表現する感性を育てることにつながると考えている。子どもたちが「美しい日本語」に興味を持てるよう、親しみやすく、かつ斬新な演出で見せる、ユニークな「言語バラエティ」である。
デザイナーのコメント
ドレミノテレビは、小学低学年の音楽教育の番組です。コンセプトは、音楽によるコミュニケーションの楽しさ、自己表現・自己解放の素晴らしさといった音楽の本質を感じること。子どもたちにこそ本物を、という思いのもと、音楽面もビジュアル面も、出演者とスタッフが子どもたちと本気で向き合って制作しています。教育とはまさにコミュニケーションデザイン。芸術教育のための、斬新で良質な教育番組を目指しています。
子どもたちに、日本語の豊かさを知ってもらい、遊びながらコミュニケーション能力や自己表現する感性を育んでほしいと考えています。映像面では「クォリティの高いものに幼児期から触れることが高い感性を育てる」という考えでセットや衣装を製作しています。また、文字だけのアニメや、狂言など伝統芸能を斬新な手法で描くなど、これまでにないテレビ番組の映像表現にもチャレンジしています。
大賞選出に向け特に評価を求めたいポイント
2つの番組はともに2003年4月スタート。そしてともに「教育テレビの変わった番組」と評されました。でも、最大の共通点は、「子どもに上質のテレビ番組を届けるために、各界の最先端を行く専門家たちが全力で映像と音作りに挑戦している番組」ということです。
家で聴く音楽は楽しいのに、学校で習う音楽は好きになれないと感じたことはありませんか?小学校低学年向けの音楽教育番組「ドレミノテレビ」は、音楽の本質であるコミュニケーションをテーマに、音楽の楽しさに魅了された大人(ミュージシャンとスタッフ)が、本気で音楽と、そして子どもたちと向き合って作りました。子どもが発見し、大人が再発見できる番組です。
「じゅげむ」や狂言の「ややこしや」が社会現象にもなった「にほんごであそぼ」。その制作の秘密は「幼児は幼児っぽいものが嫌い。本物が大好き」。これは幼児番組制作者の合言葉です。とかく音声の要素を重視しがちな「言葉」がテーマの番組で、映像にもとびきりの工夫を凝らすこと。そして幼児に「楽しい」と感じてもらう言葉の遊び方。この2つに力を注ぎました。大人も、からだ全体で粋な日本語を味わってください。
審査委員のコメント左合ひとみ審査委員
いかに優れたデザインでも、それを見極める受け手の資質が伴わなければ、世に出ることはありません。ではグッドデザインを生み出すために最も必要なものは何でしょうか。私たちの答えは「教育」。デザイナー育成というより優れた受け手を育てるための「教育」です。NHKの「ドレミノテレビ」「にほんごであそぼ」は、本格的なスタッフ、出演者の起用による、斬新できわめて質の高い教育番組であり、子どもたちが本物に触れ、楽しみながら表現力や想像力をはぐくむことの出来る画期的なメディアです。デザインがモノからコトへと拡がりを見せる今、未来を切り拓く試みとして、これらの番組づくりは最上級の評価に値すると確信しています。
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