■ジャンル別講評
文具、オフィス雑貨・家具・設備[受賞対象を見る]
この審査ユニットの中で一番応募数の多いカテゴリーである。内容はペンやノートなどの文具という小さなモノからオフィス雑貨・家具・設備など大物までさまざまなジャンルの商品が集められている。今年の応募に関しては率直なところ注目に値するモノは少なかったと感じられる。学校、オフィス、家庭の中で活躍するシーンが多いこの商品群については、審査委員全員で実際に使用し、その後それぞれの感想や評価について討論し厳しく審査された。ステーショナリーは全般に材質、廃棄時の分別や、エコロジー問題への対策が実行されており、その意識の定着には感心した。オフィス用品ではユーザビリティを追求した使い勝手の良い椅子やテーブルが多かったものの、全体には使う喜びや楽しさを実現する魅力的なモノにまでには至っておらず、少々物足りなさを感じてしまった。
店舗用品・機器[受賞対象を見る]
このカテゴリーは50点余りと少ない出品数であった。メーカーのさらなる積極的な姿勢に期待したい。新しいスタイルのビルや店舗が多く出現している近年、ライフスタイルやワークスタイルも著しく変化を見せている。店舗用機器がその環境やスタイルに追従できているかというと少々疑問である。今回の商品群の中にも機能的には十分なスペックを持ちながら、使う人や環境を意識したデザインになっていないモノが多く見られた。信頼性というキーワードを掲げるあまり堅いイメージになってはいないだろうか。もっとスマートで美しく刺激的なデザインが必要であると感じる。
知育、教育関連商品・設備[受賞対象を見る]
多様化する教育環境に対して、この知育、教育関連商品・設備のカテゴリーの果たすべき役割は非常に重要である。しかし応募点数は残念ながら十数点と非常に少ない結果となった。メーカーの取り組みが消極的であるのか、カテゴリーの認知度が弱いのか原因は不明であるが、子供たちの成長や感性の育成に大きな影響力を持つ商品だけに、もっと積極的にデザイン、開発が進むべきではないだろうか。車や家電が飛躍的に進歩する現代、子供たちを取り巻く環境は決して穏やかなわけではない。もっと子供たちのためのデザインを真剣に考えるべきではないだろうか。
|