2002年度グッドデザイン大賞を受賞したモエレ沼公園は、札幌市の北東部で造成を進めている札幌市内最大の総合公園(計画面積188.8ha)であり、マスタープランは20世紀を代表する彫刻家、故イサム・ノグチによるものです。
モエレ沼公園は、札幌の市街地を公園や植林等で構成された緑地帯で取り囲む「環状グリンベルト構想」の拠点公園と位置づけられ、また同時に、ゴミ埋立処分場の必要に迫られていた清掃事業の建設候補地という土地の複合利用を前提とした事業として1970年代にスタートしました。埋立てが続いていた1988年3月、この地を初めて訪れたイサム・ノグチは、現地を実際に見て強い創作意欲を燃やし、札幌市は公園の設計を正式に依頼、精力的に設計作業を行なったノグチは同年11月にマスタープランを完成させるが、12月に急逝してしまう。しかし遺志を受け継いだショージサダオ氏の監修のもと、アーキテクトファイブが設計総括をする、という体制で事業が進みました。「公園全体が大地に刻まれたひとつの彫刻である」という考え方に基づき現在も造成が継続され、ノグチの生誕100年にあたる2004年に公園全体が完成する予定です。 |
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