2002年度グッドデザイン大賞候補
■蛍光ランプ/
 東芝電球形蛍光ランプ「ネオボールZ」
 電球60ワットタイプレフランプ形
受賞番号 02A05024
応募企業名 東芝ライテック株式会社
プロデューサ 東芝ライテック株式会社 管球照明社 マーケティング部長 堀正男
ディレクター 東芝ライテック株式会社 技術統括部 デザイングループ長 大野肇
デザイナー 東芝ライテック株式会社 技術統括部 デザイン担当 主査 江川一夫+技術統括部 デザイン担当 武内永記
■概要
レフランプのようなミラー付きグローブで照射方向が明るくなります。「直下照度約1.6倍」(当社ネオボールZ A形60ワットタイプ比)。レフランプ60W形相当の明るさ(全光束)です。消費電力12W、寿命6,000時間でレフランプに比べて消費電力約1/5、寿命約4倍。従来の電球、レフランプから取替えて電気代が大幅にお得。ランプ交換回数が軽減されて大変便利です。ミラー付きグローブで前方に光を集めて、広範囲を明るく照らします。
■デザイナーの思い・主張
省エネ光源電球形蛍光ランプに、新たにレフランプタイプを業界初でラインアップしました。デザイン的にも電球形蛍光ランプのスタンダードとなるような、シンプルで光学的なスタイリングとしました。[]照射方向をより明るく、使用の目的にあった明かりを得ることができます。
■大賞選出に向け特に評価を求めたいポイント
弊社は1980年に世界に先駆けて電球型蛍光ランプを開発、発売してから、これまでに更なる技術開発を積み重ね、省エネ化と小型化そして美しいフォルムの追求により白熱電球に替わる新光源を目指して常に照明業界をリードしています。1998年には「電球進化論」をスローガンに技術の粋を集めたほぼ電球サイズ・新しい電球のスタイリングを実現した「ネオボールZ」の開発に成功し、照明器具への勘合率を飛躍的に高め、グッドデザイン金賞を受賞しました。ランプは日用品として非常に地味な商品ですが、生活の必需品として環境に与える影響は大きく、家庭用及び業務用電力の比率は19%と高く、また家庭における照明製品の電力比ではエアコン、冷蔵庫に次ぎ15.8%と高いためより一層の省エネ化が急務です。この電球型蛍光ランプは、一般電球と比べて同等の明るさで消費電力約1/5・発熱量も約1/5、そして蛍光ランプの特長を生かし寿命約6倍と省エネ、環境に対して大変に優れたエコロジーなあかりです。たとえば、一般電球の中で最も需要の多い60W形電球の80%(約3600万個)を「ネオボールZ」置き換えたと仮定しますと、年間の消費電力量で約14.4億KWhの低減が出来ます。これは、原油換算で年間約38万キロリットルの節約、二酸化炭素(CO2)換算で年間約64万トンの削減ができることになります。
この度、新たに加わったレフランプ形は、直下照度約1.6倍、白熱レフランプと比較し寿命約4倍と、スポットライトやダウンライトなど目的に応じて使える大変便利なランプです。今後とも「新しい光は、東芝にあります」をスローガンに第4の光源にふさわしい光テクノロジーを駆使し、更にシンプルで使いやすく、美しいフォルムの追求を目指して参ります。
■審査委員のコメント
本品は電球型蛍光灯を反射面をもつレフランプタイプとし130度の幅広い配光と1.6倍の明るさを持たせた12wタイプである。単価は一般の60wレフランプの5倍であるが、耐久時間4倍、消費電力5分の1、発熱量も同様に少ない、球取替えの手間も5分の1である。総合的に高い省エネルギー効果をレフランプの光の質とともに生み出している。フォルムはユニークであり新たな創造性を喚起している。電球タイプの蛍光灯の普及を技術的にもデザイン的にもオリジナリテイを伴い探ってきた歴史がある。温暖化防止という社会的使命に対するエコデザインの確実な実践は、企業としての取り組みとして高く評価できる。(池上 俊郎 審査委員

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