2009年度受賞結果の概要

2009年度審査総評/審査講評

2009年度審査講評

審査委員イメージ

ユニット5:オフィス関連機器設備、販売・展示関連機器設備

平野 哲行

建築家・デザインマネジメントコンサルタント


経済的な閉塞感を背景に、技術の革新や発展が困難な中、新しい試みを模索している領域であった。省エネルギー・省コストといった業務環境における大きな課題を解決しようとする中で、新たな発展・イノベーションの兆しが感じられ、日本の得意とする分野でのますますの発展が期待された。
冷陰極蛍光ランプ「+CLine(プラスシーライン)」は、技術革新によって小型化・長寿命化を達成した、メリットの明快な製品であった。特に、設置や調光の自由度が向上したことで、照明環境や内装設計において新しい可能性が広がった。
フェリシモ500色色鉛筆は、500種類の色がすべてネーミングされている点、毎月25本ずつ長期にわたって購入するという点に独自性と面白みがある。毎月届く色鉛筆によって、微細な色の違いを体感しながら色の名前を覚えていくことは、特に子どもの情操教育に役立つだろう。
ラウンジシーティングレオパードは、着座、立ち上がりをアシストするという新しい発想を具現化しており、非常に座りやすいチェアとなっている。ロボット技術を応用しており、異なる領域を結びつけている点も評価できる。
今後のこの領域の商品の展望としては、スペック的な高機能化だけに留まらず、人間中心の新たな体験や価値の創造に寄与する考え方やデザインが重要である。それには、人間の気持ちを揺さぶり「感性」に訴えるものや、全く新しい発想、異なる領域を結びつける試みなど、革新的なものづくりが必要であると考える。