2009年度受賞結果の概要

2009年度審査総評/審査講評

2009年度審査講評

審査委員イメージ

ユニット1:身の回り品、健康・ケア・介護用品、スポーツ用品、趣味・ホビー用品

左合 ひとみ

グラフィックデザイナー


最先端の技術を駆使する分野ではない当ユニットでは、生活者のための小さな改良を行っているものが多くを占める。評価された対象の傾向としては、今年も「軽量」、「コンパクト」、「シンプル」を高次元で実現していること、そして、相反する資質、たとえば軽量化と高剛性、軽量化と安全性などの両立を可能にした結果、機能美も実現していることなどが挙げられる。それらは、生活者がものを身につける際のストレスの軽減や本来の能力の発揮、限られた生活空間で存在が負担にならないことを目指したものである。好例は、補聴器、スポーツ・アウトドア用品や電子ピアノなどに見られた。大きなサイズと高価格だった既存製品の概念を覆して金賞を受賞した『マッサージソファ』もそのひとつである。そのほか、介護経験から生まれた画期的な『シリコンキャップ』や脱毛状態の女性のための『ウィズウィッグ』など、人への深い配慮から開発されたものにも秀作が見られた。