2008年度受賞結果の概要

二次審査にむけて:審査ユニットからのメッセージ

今年度の一次審査終了後、18名の審査ユニット長から二次審査にむけての方針や応募者へのメッセージをお寄せいただきました。

  • 身体・生活領域 / 産業・社会領域 / 移動・ネットワーク領域 / 新領域 /
  • 身体・生活領域

     
    ユニットA01:
    身につける用品
    趣味・スポーツ用品
    ハンディキャプト用品など
     
    「身体領域」とされるこのユニットは、(1)身につける生活雑貨、(2)ホビー・スポーツ用品など、(3)高齢者やハンディキャプトに配慮した機器といった、生活者の身体に触れる日常的な製品を対象としており、グッドデザイン賞のユニットの中でも飛び抜けて多岐にわたるアイテムが審査会場に並びます。
    (1)と(2)においては、ものやことをつくる創発力を基本的な評価ポイントとしますが、それに加えて(1)では生活文化を豊かにするような魅力、(2)では未来を切り拓くような創造性が見られることを期待します。また(3)では、現代社会への洞察力と社会・環境に対する思考力を評価ポイントとします。
    この領域は、最も身近なものが多いだけに、生活をより快適にしたり、豊かにしたりするキーを握っている領域とも言えるでしょう。生活者の日常の細部にわたる問題点を、あくまで生活者の視点で解決している応募作との出合いを楽しみに、二次審査にのぞみたいと思います。(ユニット長:左合ひとみ
     
     
    ユニットA02:
    家庭用品など
     
    一次審査通過、まずはおめでとうございます。日用雑貨を中心にしたこのユニットは、成人のみが集うオフィス空間や公共空間が対象ではありません。あくまで「個人」と、そのすぐ周りを囲む「家族」が対象です。おなかの赤ちゃんから寝たきりの老人まで、このユニットの商品を使用する人は様々で、使う人の立場からの発想が何より優先されなくてはなりません。いくら先端技術を駆使した美しいデザインでも安全面に欠陥が見られれば、グッドデザイン賞を与えることがむずかしいユニットなのです。
    豊かになったはずの日本の生活は、高齢社会など、かつて誰も経験したことのない場面を迎え、今、再考の時にあります。20年後には一人暮らし世帯が約40%になる現実を直視し、これまで常識とされてきたあらゆる“もの・こと”を白紙に戻し、生活に潤いと活力を与えるデザイン提案を期待しております。2次審査では応募対象だけを展示するのではなく、ぜひ、そうした商品の背景も同時に伝えていただけたらと思います。(ユニット長:長濱雅彦
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットA03:
    家事
    調理のための道具・機器など
     
    今年も沢山のエントリーをいただきありがとうございました。
    2008年度の審査委員長方針にも記載されていますが、今年は近未来の生活者サイドに立ち審査をしてゆきます。
    このユニットは「家事、調理のための道具、機器」という日々の生活を共にするモノが対象となりますので、作り手の論理や市場の動向にとらわれることなく、生活者の真に豊かな暮らしに向けられたデザインを評価してゆきたいと考えています。
    グッドデザイン賞は、単にカタチが整っているか否かを評価するものではありません。アイデアや表現にオリジナリティーや社会性を伴わないものは、たとえそれがシンプルだとか、きれいだとしても、2008年度のグッドデザイン賞として認めることはないつもりでおります。
    もちろん、新規性や社会性があるものであっても、表現や存在感が適切でないものも認定の対象から外れる可能性があります。
    くわえて、これまでの受賞対象の継続であっても、2008年度の審査は、今の視点をもってみさせていただきます。
    エントリーいただいた皆さんのご苦労に報いるよう、4人の審査委員で議論を戦わせ2008年度のグッドデザイン賞を選定させていただきますのでよろしくお願いいたします。(ユニット長:柴田文江
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットA04:
    家具
    インテリア
    住宅設備など
     
    私たちのユニットは「10年後に向けてサステナブルな暮らしのパイロットとなるデザイン提案を顕彰する」ことを主眼として、本年度の審査を行います。
    地球環境に対する本質的な理解に基づく規範と、人に対する最大限の思いやりを文化の基本とするサステナブルな社会を実現するために、価値観と美意識をチューンしてゆく。 そのことをはっきりと意識した、質が高く美しいデザインを発見し、評価し、紹介することをグッドデザインの使命としたい。
    選ばれた提案群から浮かび上がってくるのは、伝統的な知恵と最先端の科学技術が相まって織りなす「いき」な暮らしの姿であろう。
    奇をてらう野暮、見栄を張る野暮、配慮を欠く野暮、品のない野暮、独りよがりな野暮、美意識にかける野暮を退けて、粋な評価を心がけたいのです。(ユニット長:益田文和
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットA05:
    住宅
    集合住宅
    マンションなど
     
    私達、審査委員は、近未来の生活者の立場から審査したいと思います。
    これからの住まいでは、さまざまなライフスタイルや家族構成に対応した、多様な住空間が展開するでしょう。高齢者のためのユニバーサルな住まいや、単身者が集まって住めるような住空間の提案も必要です。都心に近い住まいには、ワークショップやSOHOを備えることで、職住近接を促すこともありうるでしょう。新しい形の賃貸住宅も都市におけるライフスタイルのひとつの提案です。住まいは家族のためにあると同時に、近隣のコミュニティにも結びついています。したがって、戸建であっても、集合住宅であっても、これからの住まいは、近所づき合いを促進するような、柔らかな開放性を持つことが必要だと思います。さらに、日射や通風など自然のエネルギーを取り入れ、高性能なシェルターや設備を備えることによって、エネルギー消費を抑えるような技術的な取り組みも重要な課題です。 今年は、以上のようなさまざまな課題に対し、どこに重点を置いた取り組みがなされているかに注目して二次審査を行います。各々の応募対象の意図が明確に伝わるような展示を心掛けいただければ幸いです。(ユニット長:難波和彦
     
    ページトップへ ▲

    産業・社会領域

     
    ユニットB06:
    生産や物流に用いられる機器・設備など
     
    このユニットでは、[HUMANITY]に最大限のウエイトを置いています。
    まずは業務遂行のための道具として、「安全」、「わかりやすい」といった工夫を重視します。いくら高性能であっても、安全性に欠けていれば、それは凶器ともなってしまいます。また、外国人労働者も増えている現在、操作マニュアル以外に、使用方法の手順が正確に把握できる工夫も重要です。言い換えれば、洗浄やメンテナンス含めた、マシンとのコミュニケーションがデザインによってどこまでわかりやすくなっているかという点です。デザインされた形状、色、段取りの工夫によって、安全性や使用方法の把握が格段に向上します。二次審査にあたっては、その部分を主張してください。
    マイナーチェンジの場合には、進化すべき部分と、変えないほうがいい部分を明確に分けることが大切です。機能は大幅進化しても、ブランドポリシーとして、基本手順や色彩計画はあえて変更せず、細部の進化にとどめるというのもまた、大きな評価ポイントとなります。
    二次審査にあたっては、インターフェイスや使用環境への配慮などについて、補足的な資料を提出してください。また、とくに現品の搬入が難しい対象については、パネルだけでなく動画(3〜5分程度)を提示してください。これらの資料によって、より充実した審査が実施できることを期待しています。(ユニット長:澄川伸一
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットB07:
    店舗アミューズメント
    オフィスで用いられる家具・設備など
     
    二次審査では、「品質」「有用性」「先進性」を中心に見たいと思っています。
    (1)品質:美観、質感、コストパフォーマンスなど
    (2)有用性:操作性、機能性、性能など
    (3)先進性:オリジナリティ、サステイナビリティなど
    つまり、「見て、触れて、使って、納得できるか」が評価ポイントになります。
    審査委員は各自の専門性を活かしながら、それらの評価ポイントに従って応募商品を一つ一つ見ていきます。同時に、使い手と作り手、両者の視点からも商品を見ます。
    使い手の視点に立つことは、審査委員自身が使い手になることもあるため、それほど難しくありません。しかし、作り手の視点に立つことは難しい。そのため、応募シートにも記載されている「何を創造したかったのか?」(WHAT?)、「どのように創造したか?」(HOW?)、「目標や目標達成方法の選択理由は何か?」(WHY?)も、わかりやすく見せて頂けると助かります。(ユニット長:安次富 隆
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットB08:
    ソリューションビジネス
    サービスシステムなど
     
    「モノではない」、「カタチがない」ということで挙げられなかったソリューションビジネスやサービスシステムなどをグッドデザイン賞に加える、その第一歩を応募者の方々と共にできとても嬉しく思っております。
    私たちは、この新しい魅力的なジャンルの評価軸をいかにすべきかについて討議いたしました。
    21世紀の世界を最大の変化の要因に「都市化」がありますが、都市生活者の生活や仕事をいかにデザインできるか。これが本質的な目的だと考えました。また情報通信技術は単なる課題の改善だけでなく劇的に変革する力を持っていますが、それは究極には社会のためのものです。こうした観点から次の3つを掲げました。
    1.
    人々や社会の課題を解決していること(効果、インパクトの高さ)

    2.
    イノベーション(革新的解決)のあること

    3.
    多くの人々のデマンドに応えていること(社会的善、サステイナビリティ)

    応募者の方々には、上記の3つの視点を踏まえた取り組みについての情報を提示していただきたいと思います。(ユニット長:紺野登
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットB09:
    オフィス
    商業設備
    生産施設など
     
    今年から再編成された新しい領域設定によって、住宅以外の「建築」という広い領域がオフィス・商業施設・生産施設などに絞り込まれたため、ある程度方向性のそろったものが集まっています。
    このカテゴリーにおいては、その企業が持っている精神や社会性が全面的に表現される傾向が強いため、この意味では最もグッドデザイン賞らしい建築の領域と言えるかもしれません。企業が理想と考える環境は、やがて社会の地となりグラウンド・デザインになるものです。オフィス=仕事する場、あるいは商業インテリア空間=高級感のある品の良い空間というようなものも残念ながらありましたが、このような単純な図式を超えて野心的な提案も数多く見られ、これらは1次審査を通過しました。
    建築やインテリアが置かれる土地との密接な関係、すなわちコンテクストの捉え方の問題、巨大プロジェクトにおけるヒューマンスケールのつくり方あるいは与え方の問題、そしてこの時代におけるサステイナブル性などの独自の環境に対する思想をもったものが望まれます。
    なお、1次審査において、写真や解説がわかりにくいものも多く、通過しなかったものの中にも良いものがあったかもしれないと危惧しています。説明のわかりやすさは二次審査においても有効な手段となります。(ユニット長:安田幸一
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットB10:
    医療
    福祉
    教育
    公共空間で用いられる機器設備など
     
    医療用、教育用、公共用の機器・設備では、購入者と使用者は異なる場合がほとんどです。とりわけ医療の分野では、デザインの恩恵を享受するのは医療従事者と患者とに二分されます。審査が想定するユーザーは多層なのです。けれど医療従事者が機器・設備を使う際の安心・安全が患者のそれにつながるように、このユニットの評価の第一は両者にとっての確実・安全・安心です。遊具・教育分野ではそれらに、使い手の創造性を喚起するコミュニケーションの観点が加わり、公共分野にあっては堅牢性とメンテナンスへの配慮も求められるでしょう。
    というわけでこのユニットでは、5つの審査理念のうち評価のポイントとしては「ヒューマニティー」と「オネスティー」を重視することになりますが、その上で私たちが共有するに値する未知のデザインに出合えることを期待します。最終ユーザーが選択できないデザインこそが、一国のデザイン力のバロメーターだと考えています。(ユニット長:森山明子
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットB11:
    公共建築
    土木環境
    都市計画
    街づくりなど
     
    今年も、数多くの素晴らしい作品がグッドデザイン賞に応募されています。このグッドデザイン賞は、ただ単にデザインの美しさを競う賞ではありません。むしろ、私たちの生活のなかで、デザインがもたらす価値を競う賞であると思います。
    本年度、グッドデザイン賞の審査方針は、サプライサイドからディマンドサイドへと大きくシフトしました。この、ユニット11においても、社会領域という観点から「生活者」にとって空間の価値とは何かが問われています。私たちが考えるべきことは、作品としての施設や建築の美しさではなく、その場が現代に生きる人々にとって、どのような価値を発信しているかなのです。今、人類最大の課題である地球環境問題に始まり、少子高齢社会、安全安心の確保、そして心の安寧にいたる様々な課題の解決が求められています。グッドデザイン賞は、こうした社会的価値の創造を大きな評価視点とし、これからも活動していきます。明日への道を拓くグッドデザインを期待します。(ユニット長:田中一雄
     
    ページトップへ ▲

    移動・ネットワーク領域

     
    ユニットC012:
    身体の移動に用いられる設備など
     
    2008年度の「身体の移動」領域、C12ユニットは、サミットの議題でもあった地球環境問題や、石油資源の高騰からくる1リットル200円までも上昇しつづけるガソリン価格も反映し、自転車からバイク・軽自動車・コンパクトカー・ハイブリットカー、そしてそれらの部品等環境提案型のアイテムも多く寄せられました。またニュートランスポーテーションシステム、車両、航空機、ボート、スポーツカーに至る元気で夢のある審査対象は、今までにない巾の広がりを見せています。
    審査は、現実的な生活ステージに位置する商品と、アドバンテージの高い車などの先行的なステージとを両軸で平行審査し、二次審査の中期または後半にて、全体的な視点に立った総合判定に至るプロセスをとります。
    巾の広いこのユニットは、単にこのユニットに応募された対象にとどまらず、これからの社会全体に対し、大きな意味を持つことになると考えています。(ユニット長:山村真一
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットC13:
    個人が使う情報機器など
     
    当ユニットは日進月歩で変化するパーソナルな情報機器というカテゴリーで、最も先端の技術が小さな筐体に凝縮されたものが中心のユニットです。
    そこには、先端技術の実用化に誉を感じながらものづくりに励む、エンジニアたちの姿が見えてきます。しかしながら、これら情報機器のあり方は今、エンジニア主導の方法論から、よりユーザーに近い立場からもののあり方を考える段階に入ってきています。
    誇らしげに機能を並べ挙げるのではなく、必要な時に行動に沿った機能を果たす仕組みが求められています。パーソナルな商品ほど、そのユーザーのタイプに合った機能やデザインが特化した形で表現されるべきであると考えています。
    そして、その商品の魅力は、個人のパーソナリティを高度な次元に高め、心を美しく保とうとする啓蒙性、倫理性を持ったものでありたいと願います。
    したがって、ユーザビリティや審美性といった従来からのグッドデザイン賞の審査の視点に加え、サステナブルな観点やCSRの表現として社会への提案性という内容も意識して審査に臨みます。
    また、我々はデザイナーたちが商品開発のどの段階から関わって、どこまで観察を行い、ユーザーの行為に沿った機能を取捨してきたのか、形や色だけでない「行為のデザイン」をどのように進めてきたのかを商品から見つけようと努めています。
    「機能筐体をカバーリングするだけ」の、表面処理と加飾のバリエーションデザインに陥っていないか、逆に機能が単なる機能を超えて、新しいモノと人との自然なインターフェースを実現しているような提案を行ってきたかどうかなど、デザインの主導性がプランニング段階から反映された成果に注目していきたいと思います。(ユニット長:村田智明
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットC14:
    家庭で使う情報機器など
     
    このユニットはおもに家庭と、その延長と位置づけられる状況(自家用車内など)で使われる情報機器が対象のため、「生活の質を向上させる情報機器」という視点のもと、次の内容を核に二次審査に臨みます。
    (1)生活空間へのフィット
    (2)誰もが使いやすい
    (3)安全、安心できる車載機器
    品質感、仕上がりの良さ、ディティールの調和の具合など、使用していない時の姿への配慮も含めて評価します。誠実なデザインとして、購入意欲をあおるだけの過剰なスタイリングの抑止に務めているかもポイントです。また、子どもからお年寄りまで幅広いユーザーに対応したユーザビリティへの配慮、特にAV機器では、最近普及している機器間リンクの分かりやすさやネットワーク設定の容易さ、それに伴う操作への誘導の適切さなども考慮したいと考えています。
    カーナビゲーションやETCなどは、運転支援デバイスとAV機能の操作系の分離・整理、高齢者への配慮、目新しさよりはわかりやすさと安全への配慮に優れたソフトウェアの内容を重視します。特に後から車内に搭載されるAV機器は、車内空間の質の向上にどう貢献するかという議論を委員の間で深めたいと考えています。
    (ユニット長:山中俊治
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットC15:
    産業・公共用の情報機器など
     
    まずは1次審査通過を言祝(ことほ)ぎたいと思います。おめでとうございます。そうは言っても、審査時にちょっと心配になったことがありましたので記しておこうと思います。
    まず、書類の不備や記述漏れが目立ちました。写真も一葉しか添えられていないものがあり、やる気のない夏休みの宿題を見ているような錯覚に陥ることもありました。書類を整えて、開発の主旨を余すところなく訴えることもデザインのうちであることは論を待ちません。それが十全にまとめ切れていないのです。現下の社会状況は決して楽観できないものですが、こういう時だからこそ、デザインの力が試されていると思うのです。そういう覇気がドキュメントから立ち上ってくる応募は数えるほどしかありませんでした。
    二次審査になったからといって視点を変えて審査することはありません。時代が要請するもろもろの厳しい問い掛けに対して、答えをどのように表現しているかという観点に立って審査をします。論点を踏まえた明確な展示によってこの時代のデザインを雄弁に物語ってほしいと願ってやみません。(ユニット長:戸島國雄
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットC116:
    企業などが行う広告
    広報
    CSRなど
     
    このユニットでは、(1)アイデア、(2)表現力、(3)コミュニケーション力という3つの軸に重点を置いて、評価しようと思っています。
    まず、“アイデア”については、”創造性”と置き換えてもいいと思いますが、ある要件や課題に対してどのような視点で取り組み、どんな発想で解決しようとしているのかを評価するものです。現代においてはエコロジーや社会的な意義も大切な視点です。二つ目は、“表現力”です。いいアイデアも、それにふさわしいカタチを持たなければ意図を伝えることはできません。考え方を具体的なカタチにし、定着する力です。
    そして三つ目は“コミュニケーション力”です。この言葉は耳慣れない言葉だと思いますが、その商品やサービスがデザインを通して人々にきちんと伝わっているか。また、顧客との良い関係を持つことができたかを評価するものです。プレゼンテーションの仕方も大切なコミュニケーションです。2次審査では、伝えたいポイントが充分に伝わるような展示を期待します。(ユニット長:永井一史
     
    ページトップへ ▲
     
    ユニットC17:
    デジタルメディアなど
     
    本ユニットの一次審査ではデジタル作品としての特性を鑑み、新規性、社会性、完成度、デザイン性などの評価軸において、どれかが著しく欠けているもの、全体的に水準に至っていないものを不通過としました。しかしながら、例年に比べ応募対象の質の水準が高く、一次審査通過は増加しています。
    デジタルメディアが人々に普及し、それを利用する人の年齢も性別もさまざまな今日、誰にでもより使いやすいインターフェースが求められています。人に優しいものであることが、これからの情報格差をなくす大きなポイントとなるのではないでしょうか。このような点も含め、二次審査においてはグッドデザイン賞としてふさわしい対象を選んでいきたいと思います。(ユニット長:中谷日出
     
    ページトップへ ▲

    新領域

     
    ユニットD18:
    新領域
     
    近未来を切り開く先進的な試みの多くは、既存の領域をはみ出すはずです。このユニットは、こうしたどの領域にも属さない新しい価値を評価します。どのような応募が出てくるのか分からない領域なので、応募作品を俯瞰的に見て、ユニット内でおおまかな選定ルールを決めました。
    ユニット内で話し合った審査のガイドラインを示します。
    すでに商品化されているものは、現在の社会的な価値のなかで位置付けられているのだから、よほど新しさがなければ評価しない。

    ただし、質的内容の高いものは他の領域へコンバートする。

    研究途上にあるもの、商品化されていないものでも、近未来からのメッセージ性を強く感じさせるものは積極的に評価する。

    システムの革新性が形となって現れているものを評価する。

    美しくないものは評価しない。

    二次審査に臨んでは、以下のことを希望します。
    可能な限り実物を出してほしい。

    プロジェクトレベルにあるものは、ビデオなどで作動状況をプレゼンテーションしてほしい。

    新しさ、近未来性、それをどのように形にしたのか、明確なメッセージがほしい。

    美しさや良いところが、誰にでも分かりやすいような展示を求めます。

    近未来を感じさせる、明るく元気な展示をしてください。みなさんの意気込みを受け止め、公正な審査を心掛けたいと思います。よろしくお願いいたします。(ユニット長:内藤廣