2007年度グッドデザイン金賞
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07A10046
オフィスチェア

受賞番号:07A10046

受賞対象名:

オフィスチェア[スピーナ]

受賞企業名:

株式会社イトーキ

プロデューサ名:

株式会社イトーキ オフィス事業部 開発部 櫻井多弥男

ディレクター名:

株式会社イトーキ マーケティング本部 商品戦略部 白鳥毅

デザイナー名:

有限会社バウデザイン 代表取締役 中村保弘

 

概要

従来のオフィスチェアは、“深く座りかつ直立および後傾の姿勢”を前提に設計されていたが、着座姿勢の定点観測の結果、腰をしっかり支え、理想的な姿勢・着座をしている人は3割程度であることがわかった(当社調査による)。その課題を解決するために着座すると座が下がるPSS機構と、ランバーを前方に押し出すALS機構を連動させた世界初の新機構を開発した。背面にはこの動きに対して柔軟に追従する、樹脂とゴムの中間の性能を持つエラストマー樹脂を採用。面ではなく線で背中に接触することで長時間座っても蒸れる心配がない。更に縦リブ半透明のデザインは光が透過する連子格子や障子を連想し、日本の美意識を表現した。

 

 

デザイナーのコメント

長年の夢だったポジションフリーなイスが、優れた開発者との共同作業により誕生した。メーカー推奨の正しい座り方とユーザーの使用実態は全く乖離している。そこで“イスが人に合わせる“という当たり前の様で難しいテーマに挑んだ。結果“知らぬ間に心地よい座りに誘導する”という粋なもてなし方を備えたイスへと成長した。また同時にこれは今後のタスクチェアの一つの方向を示すものでもあると思っている。

 

 

審査委員のコメント

アーロンチェアを源流とする高機能オフィスチェアの市場はここ5年ほど停滞期に入り、各社ブレイクスルーできない状態が続いている。そんな中、やっと日本メーカーらしい細かい配慮の施された椅子が出来上がった。座り心地のよさは、実際に座ることで誰もが納得いく完成度である。そして、立ち上がり時にふわっと腰を持ち上げてくれるサポート機能になんとも言えない優しさを感じる。メッシュ素材一辺倒のハイバック処理が主流の中、フィン構造の採用は素材自体の持つ特性を最大に活かしており、まったく新しい解決策を提示している。トータルバランスのよい、完成度の極めて高い日本の椅子であり、市場に一石を投じたデザインである。(澄川伸一)

 

 

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