受賞番号:06B02003 受賞対象名: 富山ライトレール・富山港線 受賞企業名: 株式会社GK設計+富山市+富山ライトレール株式会社 ディレクター名: 株式会社GK設計 宮沢 功 デザイナー名: 株式会社GK設計 入江寿彦、西潟眞佐子+株式会社GKインダストリアルデザイン 菅 泰孝、若尾講介+株式会社デザイン総研広島 山田晃三、佐藤伸矢+島津環境グラフィックス有限会社 島津勝弘 |
富山ライトレール富山港線は、旧JR富山港線を路面電車化し、超低床式車両(LRV)の導入を図り、富山市民の重要な交通手段として再生した、全国初の本格的なLRT(次世代型路面電車システム)である。富山市は、少子高齢社会の到来や環境問題の深刻化に対し、これまでの自動車利用を中心とした拡散型の都市から、公共交通を活用し都市機能を集約した「コンパクトなまちづくり」を目指しており、本富山港線は富山市の「コンパクトなまちづくり」を実現するための第1歩となるプロジェクトである。
人口減少・高齢化社会の到来、地球環境問題の深刻化に対する解決策としてその存在が見直されてきた路面電車。富山ライトレール・富山港線は全車両が超低床車両を採用した全国初の本格的なLRTである。デザインにおいては「LRTの価値を日本全国に発信できること」、「世界と肩を並べる質」を実現するため、建設及び運用に係わる様々な対象物を総合的にデザインコントロールし、その質を高める「トータルデザイン」を実践した。
自動車利用を中心とした拡散型都市への反省から、トラムによる街づくりが世界的に注目されている。その国内モデルとして、全国初の本格的なLRT(次世代型路面電車システム)をデザイン導入した社会的意義をまず高く評価したい。また、低床、低振動、低騒音化に配慮した車両、県内在住のクリエイターたちが地域の風土、歴史をデザインした駅の個性化スペースをはじめ、車両、電停、VI、広報物に至るまで、様々な対象物を総合的にデザインマネジメントし、そのクオリティの高度化に成功している。利用者の利便性に留まらず、鉄道事業者相互の連携にも配慮したICカードシステムの導入も、これからの地域交通システムの範となるだろう。(副審査委員長 赤池 学)
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