Good Design Award 2005
 

2005年度グッドデザイン大賞

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インスリン用注射針
 
 

インスリン用注射針 [ ナノパス33 ]

 
受賞番号 05A10039
受賞企業名 テルモ株式会社
プロデューサ名 テルモ株式会社 生活医療グループ DMカンパニー 主任 久井良之
ディレクター名 テルモ株式会社 生活医療グループ DMカンパニー 開発技術部 DM開発技術課 課長代理 大谷内哲也
デザイナー名 テルモ株式会社 マーケティング室 デザインチーム 坪田潤、井尻朋応
 

概要

 

糖尿病治療で使用するインスリン注射用針。世界一細い33G(0.2mm)。従来の31Gより20%細い。注射針に求められる痛くない細い針のニーズと、薬剤を注射するための一定の太さの確保という相反するスペックを技術革新でクリア。<世界初のダブルテーパー構造>先端は細くし、徐々に太くするテーパー構造。従来はパイプ状で外経も内径も一定の太さで、細くすればするほど薬液を注入する抵抗が増し、注射しづらくなるため、細くするのは限界があった。この限界を破り細くするため、【ハンズ・ポアズイユの法則】を応用、テーパー構造にすれば先端を細くしても注入抵抗を抑えることができることを突き止めた。

 

デザイナーのコメント

 

注射は誰もが嫌なこと。それを一日に数回もならなおさらである。現在糖尿病でインスリン自己注射を行なっている患者さんは国内で60万人。インスリン注射を止めることはできなくても、その痛みを少しでも和らげてあげたいとの思いで世界一細い針に挑戦し製品化に成功した。

 

審査委員のコメント

 

ニーズが不可能を可能に変えた一つの事例で、日本のものづくりに一石を投じた商品として、我々も高く評価している。「できないからこうなった」という言い訳型のものづくりが蔓延している製造業の風潮のなかで、患者の立場から痛みを軽減させたいというニーズを起こし、ロールと溶接という微細な加工による量産化を成し遂げた偉業を称えたい。私はデザインとはニーズに対するベストなソリューションだと考えていて、これこそが「デザイン」だと事例紹介したい一品である。

 
 
 
より詳しい情報を[ Good Design Finder ]でご覧いただけます。
 
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