GDA2002 WINNERS 審査委員・審査講評 賞の構成 大賞 エコロジー賞 中小企業庁長官賞 ロングライフ賞
主催者あいさつ グッドデザイン賞 大賞選出過程 ユニバーサル賞 日商会頭賞 表彰式レポート
受賞結果速報 グッドデザインプレゼンテーション2002 金賞 インタラクション賞 審査委員特別賞 アンケート結果
主催者あいさつ
 グッドデザイン賞(Gマーク)は通商産業省が1957年に創設し、今年で46回目になります。同様なデザイン評価制度は、ドイツのiF賞、イタリアのゴールデン・コンパス賞などが有名ですが、その他の先進諸国でも多くの国で実施されています。またアジアにおいても、韓国や台湾、そしてインドネシアでも今年日本の支援のもとに開始しました。よいデザインを選び、それを認定し表彰することは、 一つの産業政策として各国で定着しつつあります。
 その中で日本のグッドデザイン賞は、現在のところ世界で最大の規模を誇っています。この不況の影響により新製品の数が大幅に減少しているなか、今年もGマークには2,000点を超える応募をいただきました。これは、この制度が現在の産業社会の中に定着している表れではないかと考えています。
 受賞企業の中には、Gマークをうまく活用することで成長をした、という話をよく聞きます。ある中小企業は、コンサルタントから最初にGマークを目標に製品開発をすることを勧められ、必死に取り組み何年目かでようやく合格したと聞きます。こうした話は、デザイン振興機関である主催者としても非常にうれしい限りです。
 今年は新しい試みとして二つのことを開始しました。一つは「グッドデザイン大賞」、つまり今年のメモリアルなグッドデザインの選出方法を大きく変えました。昨年までは1,000人の来場者が集まる表彰式の会場で、有識者による討論で決めていましたが、今年はGマークを受賞された企業のデザイナーと審査委員の投票によって決めます。選ばれた人が今度は選ぶ側に回り、両者が一体となって大賞を選ぶ。いわばデザイン界の総意となるグランプリを選出します。
 二つ目は、2次審査会場を一般に公開するデザインフェア「グッドデザイン・プレゼンテーション」の拡充です。会場では、2,000点の審査対象の展示と共に、「デザインイニシアティブ」と名づけた企業デザイン部のアクティビティを紹介する特別企画も初めて実施しました。ここでは、様々な業種の企業が3年後、5年後を目指し、どのようなデザイン活動を展開しているのかを発表していただきました。たとえば自動車会社のデザイン部は、どういうコンセプトのもとに、どういう未来を想定しているかを具体的なかたちで展示をされました。
 初めての試みにかかわらず、12の企業と1大学、1団体が出展され、そのこともあって来場者も大幅に増え10,000人を越えるイベントになりました。これは他のフェアや見本市とは違い、その企業のデザイン活動そのものを見ていただくものです。当会はこうした活動を通じ、お互いに明日のデザイン活動を刺激し合い、交流し合い、そしてそこから新しい提携もうまれるのではないかと考えています。
 当会は、「デザインの力」を信じている団体です。デザインを通じて、ものが変わり、会社が変わり、社会が変わっていく契機になりうると強く信じています。今後も、Gマークという生まれは古い制度ですが、常に時代の風を吸い、新しい革袋で包みながら、時代の空気を反映した生き生きとした制度になるように改善していきますので、皆様方のご叱正もいただきたいと考えております。今後ともご支援いただくようお願いいたします。

公益財団法人日本デザイン振興会
理事長 久禮 彦治